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敷地の広さに応じた家づくりの考え方

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ここでは敷地の広さに対し、注文住宅をどう建てたらいいのかについて、
秘訣をお伝えしましょう。

初めにお断りをしておくと、なるべく多くの方にご活用いただけるよう、
都心部の住宅事情を基準にしています。

といいますのも、地方であれば同じ費用で都心よりも広い土地を手に入れやすいからです(場所にもよりますが)。

そのため地方では60坪程度の土地でも広い部類には入らないこともあります。

裏返していうと、それだけの広さがあれば、
家を建てるときの悩みも比較的少なくて済むのです。

特に間取りの取捨選択に関してはあまり悩むことはないでしょう。

限られた土地の広さを有効に活用するには?

限られた土地の広さを有効に活用するには?

多くの方は、敷地の限られた広さをどう活かすかで悩んでいらっしゃいますので、
ここでは20~40坪のやや狭い敷地40~70坪の一般的な敷地70坪以上の広い敷地
の3種類に分けて考えたいと思います。

20~40坪のやや狭い敷地

やや狭いと書きましたが、東京、千葉、埼玉、神奈川を中心とした東京近郊では、40坪程度の土地はよくある広さです。

これよりも狭い20~30坪という土地が売りに出されることもありますので、40坪もあれば狭小地にも含まれません。

では、このぐらいの広さの敷地に対して、
家をどう建てたらよいでしょうか?

考え方のポイントは3つあります。

1)間取りにおいて廊下を極力減らす

この広さの敷地に家を建てる場合は、
無駄なスペースをできるだけ減らしたり
共用できる場所がないかを探したりすることが大事です。

狭い敷地の家づくりで何よりも優先するべき点は部屋の広さの確保ですから、
部屋を繋ぐ廊下は優先度がどうしても下がってしまいます。

部屋と部屋をなるべく廊下で繋がないような間取りにして、
スペースを少しでも稼ぎましょう。

基本的に廊下がどの程度必要になるのかは、
玄関と階段をどう配置するかでも決まってきます。

玄関から1階の各部屋への動線、玄関から階段までの動線を短くして、
なるべく廊下を作らなくて済むようにすると良いでしょう

玄関から引き戸1枚を挟んでリビングに入る、
リビングから扉を通って隣の子供部屋に入る、
玄関から2階の階段に上がるなど、廊下を減らすための工夫はいろいろと考えられます。

部屋と廊下を共用するといいますか、
部屋を廊下代わりにするつもりで、極力廊下を減らしてみてください。

2)間取り計画において収納用のスペースを立体的にする

前述のように間取りを考えるときに無駄なスペースを減らすことは大事です。

かといって収納のスペースまで減らしてしまうと、
住み始めたあとに家の中が物であふれ、返って家を狭くしてしまいます。

そうなると、収納にどのぐらいのスペースを割けばいいのだろうか
と頭を悩ませてしまうことでしょう。

このような場合は、収納スペースを立体的に作れば良いのです。

たとえば1畳ぶんの広さのクローゼットでも、
上下2段にすれば1畳で2畳ぶんの収納力を得られます

一般の住宅であれば天井高は2m40cmあるわけですから、
上方向の空きスペースを収納用に使うことをおすすめします。

また、これらの収納スペースはいろいろな場所に分散させて作るよりも、
いくつかの大きなスペースを作って、
そこに物を置くほうが出し入れの効率はよくなります

3)部屋の間仕切りを見直す

狭い土地の住宅における間仕切りの扱いに関しては、
軽んじられることが多いように思います。

間仕切りといえば、障子やふすまを思い浮かべる方も多いかと思いますが、それだけではありません。

たとえば、収納を兼ねた可動式の間仕切りを使うことで、
収納スペースの解消はもちろん、来客に合わせて部屋の広さを変えることもできるなど、
一石二鳥の使い方ができます。

可動式ではなくても、単に家具自体をパーテーション代わりに使うのもひとつの手です。

また、視線をさえぎる壁や間仕切りをなるべく無くすことで、
部屋を広く見せたり明るい部屋を作ったりすることも可能です。

収納とのバランスも考えながら間仕切りをうまく活用しましょう。

40~70坪の平均的な敷地

40~70坪の平均的な敷地

私が神奈川県の湘南地区で営業を担当していたときには、
50~70坪の土地を扱う機会が多くありました。

全国的な平均値を見ても、このぐらいの広さが一般的であろうと思います。

狭小地よりも広さに余裕があるぶん、できることも増えますので、
以下の3つの点について考えてみてください。

1)カーポートは外構の一部と考える

40~70坪程度の広さの土地を購入される方は、
敷地内にマイカーを置きたいと考える方も多いはずです。

さらに70坪の広さがあれば、
ご夫婦それぞれの車、あるいは2世帯住宅なら息子さん(娘さん)夫婦の車と合わせて、
2台並べて駐車したいという方もいらっしゃるでしょう。

実際、その広さなら2台ぶんのスペースを取っても
狭く感じることはほとんどないはずです。

とはいえ、カーポートのことだけを考えるのではなく、
カーポートを外構の一部と考えて、
外構と庭との関連性を検討しながら配置を決めましょう

2)陽当たりが良ければ家のデザインに凝る

敷地が40坪以上なら、よほど条件の悪い場所ではない限り、
陽当たりに関する心配はほとんどないでしょう。

もしも陽当たりが悪ければ、
採光の方法について優先的に考える必要がありますし、
それによって家の間取りに制約が加わる場合もあります。

その心配がないのであれば、
家のデザインに凝りましょう。

たとえば、窓のデザインと配置を1階・2階で合わせてシンメトリー(左右対称)にするなど、
ちょっとしたことにもこだわれるようになります。

デザインに関しては予算しだいのところもあるとはいえ、
敷地の広さに合わせて建物も大きくなるぶん、見た目に凝ることは大切です。

3)バルコニーとベランダで2階を有効活用

40坪以上になると建物の床面積にも余裕ができるはずですから、
2階にバルコニーやベランダを作るのもいいでしょう。

バルコニーやベランダはそこで洗濯物を干せる利便性を重視しつつ、
どの程度の広さにするのか、
また周囲からの視線をどうさえぎるかについてもよく考えましょう。

70坪以上の広い敷地

70坪以上の広い敷地

70坪以上の敷地になると、部屋数も含めて間取りに余裕を持たせたり、
外観をより凝ったデザインにできたりするだけではなく、庭や外構にも気を配れるようになります。

また、広い敷地ならではの問題点も同時に浮かび上がってくることでしょう。

それらに対するポイントを1つずつご紹介します。

1)目線の問題を考える

敷地の広さに合わせてフェンスや門扉などの外構もより大規模なものが必要になります。

同時に周囲の家や道路からの目線(視線)をある程度さえぎる必要もありますから、
植栽の配置やフェンスの高さをよく考えてプランを練りましょう。

また、雨の日に門扉までを歩くことも考えて、
門扉から玄関、門扉から庭への距離などにも注意したいところです。

2)動線が長くならないようにする

床面積が広くなって部屋数も増えれば、
家のなかでの移動距離も自然と長くなります。

建築士のなかには、広い敷地があると大胆な間取りで長い廊下を作り、
その結果長い動線の家をプランニングしてしまう方がいます(もちろん全員ではありません)。

家は毎日過ごす場所ですから、
敷地に余裕があるほど動線に無駄がないか必要以上に長くなっていないか
を厳しくチェックしておいたほうが良いでしょう。

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20坪以下の敷地の場合は?

以上、敷地の広さを3段階に分けてそれぞれのポイントを考えてみました。

これら3段階のほかにも、たとえば
20坪以下の場合はどう考えたらいいのか
といった疑問もあろうかと思います。

その場合は、先に水回りも含めて必要な部屋をひととおり挙げていただいて、
そのなかから生活に必要なものに優先順位をつけていくと良いでしょう。

そのうえで、どうしてもスペースに収まらなかった部屋が、無くしても本当に問題がないのか、
あるいは全体の間取りを縮小してでも収めるべき部屋なのかを考えるのが良いと思います。

その部屋があることで快適性が増すかどうかを考えてみてください。

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