ハウスメーカーの営業マン時代もそうでしたが、
注文住宅でお客様と浴室のプランについてお話しをしていると、
男性と女性で意見が大きく分かれることがよくあります。
本題に入る前に、どんな点で意見が分かれるのかをご紹介しましょう。
目次
男性が浴室に求めるのは大きさ
男性の場合は、まずほとんどの方が浴室と湯船はできるだけ大きくしたいとおっしゃいます。
または、空が見える開放的なお風呂にしたいとか、
3階に作ったお風呂で景色を見ながらお湯に浸かりたいというご希望もよく出てきます。
なぜ男性のほうが、大きな浴室や開放感のあるお風呂を好むのかは、
20年以上家づくりに関わっている私も未だによくわかっておりません。
ただ、同じ男性の1人としては、大きな浴室を作りたいという気持ちはよくわかります。
広い湯船で足を伸ばして、ゆっくりとお湯に浸かれたら、
それだけで十分リラックスできますから、私も大きな湯船には憧れます。
したがって、お風呂にこだわるお客様が
リラックスできる空間を求めているのはわかるのです。
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女性が浴室に求めるのは「ながら空間」
![リラックスできるバスルームとは](https://housing-master.com/wp-content/uploads/2018/06/housing_bathroom01-1024x586.jpg)
一方、女性がお風呂に求めているのは、
浴室で「ながら入浴」ができることです。
ながら入浴とは、お湯に浸かりながら読書をしたり、
スマートフォンをいじったり、音楽を聴いたりすること。
つまり、リビングや個室のように、
リラックスしながら何かをしたいのですね。
私はお風呂で読書をする習慣はないので、
この要望も100%理解できているわけではありませんが、
リラックスしながら何かをしたいという気持ちはわかります。
このように浴室のプランには男女の価値観の違いがストレートに表れるためか、
何かともめごとの種になりがちです。
これはどちらが正しい、間違っているというのではなく、
互いに尊重して歩み寄りながら、プランを練っていただきたいと思っています。
それでは、男女の価値観に関係なく、
浴室のプランで重要になるポイントを見ていきましょう。
浴室に備えたい設備
![浴室に備えたい設備](https://housing-master.com/wp-content/uploads/2018/06/housing_bathroom02-1024x680.jpg)
まずは、入浴時に限らず、浴室にあると便利な設備をご紹介しましょう。
暖房換気乾燥機
これは浴室の暖房と換気・乾燥機能を備えた機械で、
天井部分に取り付けます。
現在は建築基準法で24時間換気システムの設置が義務付けられていますが、
暖房・冷房機能を備えたものを選ぶとヒートショック対策にもなります。
ミストサウナ
暖房換気乾燥機のなかには、ミストサウナ機能を備えたものがあります。
ミストサウナとは、お湯を霧状(ミスト)にして温まるサウナ風呂のことです。
銭湯などにあるドライサウナと比べると、低温でも身体が温まりやすく、
負担が小さくて済みます。
浴室につけられる機能のなかでは、女性からの人気が圧倒的です。
埋め込みスピーカー
最近は浴室で本格的に音楽を聴いたり、映像を観たりできる設備もあります。
昔から浴室に防水ラジオや防水テレビを持ち込んで楽しむ方はいらっしゃいましたが、
それを発展させたシステムです。
そこまで本格的でなくてもいいという方には、
浴室の天井に埋め込むタイプの防滴スピーカーをおすすめします。
天井のしっかりしたスピーカーから出た音が、
浴室で反射して独特の音響効果を発揮しますので、これはこれで面白い機能です。
そこまでの工事には踏み切れないという方は、
市販のBluetooth接続方式の防水式スピーカーを浴室に持ち込んで、
音を聞いてみると違いがわかると思います。
手すりとすべり止め
![お風呂の手すりで転倒事故防止](https://housing-master.com/wp-content/uploads/2018/06/housing_bathroom03.jpg)
浴室の事故で多いのが、ヒートショックと転倒事故、そして溺死です。
楽しい家づくりにはふさわしくない暗い話題になってしまいますが、
命に関わる大切な問題ですので、ご紹介しておきましょう。
消費者庁が平成28年に発表した統計によると、
家庭の浴室で発生した溺死事故は毎年ほぼ右肩上がりになっています。
たとえば、平成16年で2870人だったのが、
10年後の平成26年には4866人と、約1.7倍に増えているのです。
このうち平成26年のデータでは、溺死者の年齢で一番多いのが
75~84歳で2106人、次いで85~94歳の1359人、65~74歳の894人と、
実に65歳以上の高齢者が全体の約90%を占めています。
ヒートショックは暖房器具を使うことである程度防げますが、
溺死や溺れることに関しては、
介助者がいない限り本人が気をつける以外に方法がありません。
しかし、浴室や湯船に滑り止めをしたり手すりを設けたりすることで、
溺れるのを未然に防いだり、大事に至らないようにすることはできるのです。
小さなお子様やお年寄りのいるご家庭はもちろん、ご自分の老後のことも考えると、
手すりと滑り止めは浴室にぜひ設置していただきたいと思います。
最近のユニットバスはデザインも機能も豊富
最近の浴室はユニットバスが主流になりました。
そのため、昔ながらのタイル貼りの浴室のように、
現場施工が必要な作りの凝ったお風呂にしようと思うと、
さまざまな工事が必要になり、費用が高くついてしまいます。
特に、壁も湯船も総檜(ひのき)のお風呂、
十和田石や大理石を使った湯船など、
材質にこだわったお風呂を作る場合は、なおさらです。
もちろん、注文住宅を建てる目的がそういったお風呂作りなのであれば、
私は坪単価などの費用は別にして、まずは応援したいと思うほうです。
しかしそこまでではないのなら、
やはりユニットバスを使ってなるべく近いイメージに仕上げるほうが良いと思います。
なぜなら、ユニットバスだと現場施工で作ったお風呂よりも、
水漏れやカビの心配も少なくて済むからです。
掃除をする際にもユニットバスのほうがラクにできます。
ひとくちにユニットバスといっても、最近は壁のパネルの色や模様、
湯船の大きさ、掃除のしやすい床など、デザイン・機能ともに豊富で、
たくさんの種類から組み合わせて選べるようになっています(メーカーにもよります)。
また、シャワーヘッドを交換することで、
打たせ湯のようなマッサージが楽しめたり、
マイクロナノバブルという細かい泡で毛穴の汚れを落としたりできるようになっていますから、
そういった器具を使うことでもお風呂の楽しみを増やせるのです。
家族全員が安心して楽しめて、リラックスできる浴室づくりにぜひ挑戦してみてください。