キッチンと並んで、毎日欠かさず使うのが洗面所・脱衣所・洗濯室です。
ここではこの3つについて、プランを練る際のポイントをご紹介しましょう。
目次
1)湿気対策のために風通しをよくする
洗面所は必ずといっていいほど浴室の隣にあります。
そのため、浴室から出る湯気が洗面所に充満し、
壁にカビが発生しやすくなってしまいます。
また同じ部屋で洗濯機を毎日回したり、
濡れた洗濯物を取り出したりしますから、なおさら湿度が高くなります。
このため、洗面所は浴室に次いで湿気対策が必要な部屋なのです。
洗面所の湿気対策1:「窓を設置する」

浴室の湿気対策は浴室の項目で触れるとして、
洗面所に必要な湿気対策は何かといえば、窓を設置することです。
それまで暗かった洗面所を、注文住宅を建てるのを機に
明るくしたいという場合も、やはり窓を付けるのが一番です。
プライバシーに配慮すると、洗面所の窓は
外からの視線が中の人と合わない高さに設置するとよいでしょう。
さらに防犯対策を考えるなら、細長いルーバー窓や
開閉用のハンドルがついた縦長の滑り出し窓などがおすすめです。
窓のサイズに合わせて、小さなカーテンや
ブラインドをつけるのも良いかと思います。
洗面所の湿気対策2:「換気扇を設置する」
窓以外の湿気対策としては、換気扇の設置でしょう。
最近は室内の湿度を感知して、自動で換気を行う便利な機能を持ったものもあります。
ただ、浴室に換気扇がついているならそちらを使えばいいので、
洗面所に設置する必要はありません。
2)洗面所にも必要な収納計画

最近は洗面所や脱衣所にタオルだけではなく、
着替え用の下着、ハンカチなどを置いておきたいというご要望が増えています。
入浴する前に毎日のように寝室から下着を持っていくことを考えると、
着替える場所にあらかじめ下着が置いてあったほうが確かに合理的です。
洗面所の収納計画1:タオルの収納スペースをつくる
洗濯をしたあとの下着を寝室に置くのなら、
タオルといっしょに洗面所に置いてしまったほうが動線のムダもありません。
また、洗面所で朝の身支度をしている時に、
ついでにポケットにハンカチをしまいたいという気持ちもわかります。
下着にせよハンカチにせよ、洗面所に置く場合は、
やはり収納スペースの確保と、置いたあとの湿気対策(カビ対策)が重要になります。
洗面所の収納計画2:収納棚をつくる
注文住宅を建てる前から、下着類を置くことも考えているのであれば、
収納用の家具を置くよりも、最初から収納用の棚を作ってしまったほうが
部屋の見た目もすっきりするのでおすすめします。
また、カビを防ぐ方法としては、1)でご説明したように、
普段から風通しをよくすることが最も効果的です。
あなたは本当の値段を知ってる?単価・予算からハウスメーカーを比較!
注文住宅を建てる場合、カタログ比較はとても重要です。注文住宅は一点もの、オーダーメイドの商品です。定価という概念はほとんどありません。つまり、「自分の条件で家を建てたらいくらになるのか?」というのは、他の住宅メーカーと比較して見積もりを取らないとわかりません。必ず見積もりを比較して取得しないと、値段を知ることは困難です。知らずに決定を下すことは何も持たずに狩りにでるようなものです。
注文住宅の世界では、外観や性能は同じでも、業者によって価格が100万~1000万円も違うのが当たり前。後で「こっちの方が安かった…」と後悔しないためにも、必ず比較検討してカタログから見積もりを取ってください。
3)冬場のヒートショック対策も忘れずに

そのほか冬のヒートショック対策として、浴室に暖房機、
洗面所に床暖房を取り付けることもおすすめします。
ヒートショックというのは、急激な温度の変化によって、
体に負荷(血圧の上昇・下降)が加わることです。
たとえば、冬場に空気の冷えた浴室から熱い湯船に入ったり、
暖かい浴室から空気の冷えた洗面所に出たりすると、ヒートショックが起こりやすくなります。
毎年ヒートショックで命を落とす方もいるぐらいですから、
ただの温度差と簡単に見過ごすことができない、非常に重要な問題です。
浴室には、壁に取り付ける洗面所暖房機や
家電のセラミックファンヒーターなどを置くのも良いでしょう。
洗面所と洗濯室の間取り動線プラン
洗面所は朝と夜に、洗濯室は朝に使用のピークが来ます。
お子様のいるご家庭の場合は、
旦那様の通勤、お子様の通学の支度で、
朝の洗面所は最も込み合う部屋になります。
洗面所の隣にトイレがある場合はなおさらのことです。
しかも、朝は奥様がキッチンで食事の支度をしながら、
洗面所(洗濯室)で洗濯機を回しているような状態でしょうから、
間取りの動線を考えないと、家のなかで交通渋滞が起こります。
奥様にとってはキッチンの隣に洗面所、その奥に浴室があって、
この間を一直線で移動できるほうが効率は良いはずです。
さらに洗面所、キッチン、ダイニングがそれぞれ繋がっている回遊性のある間取りだと、
配膳後に直接洗面所にも行けて、無駄な動きがより減らせるようになります。
さらに、洗濯をしてから洗濯物を収納するまでの家事動線も考えられると、
利便性はさらに高くなります。
洗濯に関係する動線はだいたい以下のようなものです。
- ①洗う(洗面所)→
- ②干す(ベランダ・庭など)→
- ③畳む→
- ④しまう(寝室)
- ①洗う(洗面所)
- ↓
- ②干す(ベランダ・庭など)
- ↓
- ③畳む
- ↓
- ④しまう(寝室)
このうち、①の洗面所と②の干す場所が近いほど、洗濯がラクになります。
さらに、④の収納場所が②の干す場所に近ければ、
洗濯物を取り込んだら畳んで収納できるので、
作業効率がさらに高くなるのです。
また、④の収納場所と①の洗う場所が近ければ、洗面所(脱衣所)に
下着やハンカチを収納しておく場合にもあまり手間はかかりません。
思い切って洗濯室を洗面所から切り分け、
バルコニーやベランダの横に洗濯機を置くのも方法の1つです。
動線は間取りとも深く関わりますし、正解は1つではありませんから、
じっくりとプランを練ってみてください。