部屋のプランと同じぐらい重要でありながら、
おろそかにされがちなのが収納スペースです。
リビングやダイニングのように長時間を過ごす場所ではないこと、
さらに収納スペースに必要な広さがわかりにくいことも、その一因かもしれません。
目次
収納は予定より多めに見積もる
収納スペースを最初から細かく確保せず、
家が完成したあとに箪笥や棚を買って
そこに収納すればいいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
それも1つの方法です。
しかし、私の経験上、よほど注意をしておかないと、
家のなかに物は増えることはあっても、まず減ることはないと感じています。
断捨離が得意な方や、なるべく物を持たないミニマルな生活を心掛けている方でもない限り、
これは私も含めてほとんどの人に当てはまることではないでしょうか。
かといって、私は物が増えることを悪いとは思っていません。
もちろん、ゴミ屋敷のような状態までいらない物をため込むのは問題ですが、
買った物が自然と家のなかに増えていくのは、
ある意味人間の習性みたいなものだとも思うのです。
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収納計画ルールをもとにスペースを算出
![収納・片づけ](https://housing-master.com/wp-content/uploads/2018/06/housing_storage01.jpg)
家を建てる前に収納スペースを確保しておくことの良い点は、
まず物がすっきりと収められることです。
箪笥や棚を後から買い足して収納するのももちろん良いのですが、
それらの家具を置くスペースを部屋のなかに確保しなければなりませんし、
何より家が家具だらけになると、見た目にもごちゃごちゃとしてしまいます。
もうひとつの良い点は、物をある程度まとめて置いておけることです。
家中のさまざまな場所に少しずつ分散しておくと、
どこに何があったのかを思い出すのも大変です。
いろいろな物をまとめて出す場合も、
1か所で済むのと何か所も回らないといけないのでは、
出し入れの効率も悪くなってしまいます。
では、収納用にどの程度のスペースを割けばいいのでしょうか?
これは収納計画ルールというのに基づいて考えると良いと思います。
収納計画ルールの基本は、
最低でも家の広さ(坪数)の10%を収納スペースに充てることです。
40坪の家なら4坪ぶんですね。1坪は畳約2畳ぶんの広さなので、
この場合は約8畳ぶんを収納スペースに充てる計算になります。
ただし、10%というのは最低限の数値です。
ご家族の多いご家庭などは15%程度あったほうが良いと思います。
収納スペースは多いほど便利ではありますが、
多すぎてもほかの間取りを圧迫することになるので、
箪笥や棚をうまく併用してください。
次に、収納スペースにはどんな種類があるのか、
主なものを見ていきましょう。
1)見えないスペースを活用する床下収納
![床下収納](https://housing-master.com/wp-content/uploads/2018/06/housing_storage02.jpg)
収納方法のなかでもメジャーなのが床下収納です。
普段は目につかない空いた空間を有効活用できるとして、
床下収納は根強い人気があります。
特に缶詰などの保存食品、調味料、
飲料など、何かと保存しておく食品が多いキッチンは、
床下収納を希望されるお客様が多いのです。
これは工事費も安価で狭小住宅にはありがたい収納法でしょう。
しかし、床下収納の場所は、床よりも平均して30cm前後下にあります。
床にかがんだままこの場所へ重い物の出し入れをするのは、
なかなか骨が折れる作業です。
歳を取ったときのことを考えると、
積極的に使いたい収納ではないと思う方もいらっしゃるでしょう。
キッチンに床下収納を検討するのなら、パントリーも考えたほうが良いと思います。
やはり物の出し入れは、自分より低い場所よりも
同じ高さのほうが圧倒的にやりやすいからです。
2)床下を活用するなら半地下収納も候補に
半地下収納とは、床下に作る収納用スペースのことです。
地下室ではないので容積率には含まれず、
本来なら使いそうになかった床下のスペースでも有効に活用できます。
また、半地下収納は、基礎を少し深く掘って作るぶんには、
あまりコストがかからずに済むのもメリットです。
床下収納と比べると収納量が段違いですから、
災害時用の非常食保管庫、ワインセラー、箱買いしたビールやジュースの貯蔵庫、
スポーツ用品の置き場など、さまざまな使いみちがあります。
3)勝手口周辺の空きスペースを収納に
![勝手口にパントリーや棚を配置](https://housing-master.com/wp-content/uploads/2018/06/housing_storage03.jpg)
家庭のゴミ出しや、買い物をキッチンに運ぶ際に使われることの多い勝手口。
せっかく庭や家の裏手に直接出られる場所なのですから、
勝手口周りの収納も考えてみてはいかがでしょうか。
おすすめは屋内の勝手口の横に簡単な棚を設置して、
そこをパントリー代わりにすることです。
買い物をしてきて冷蔵庫に入れる必要のないものは、
この棚に置いておけば荷物を運ぶ手間がはぶけます。
4)屋根裏は床下に次ぐ優れた収納スペース
![屋根裏収納](https://housing-master.com/wp-content/uploads/2018/06/housing_storage04.jpg)
屋根裏収納は半地下収納と並んで、
マンションにはない注文住宅ならではの収納方法でしょう。
屋根裏は半地下と同様に1.4m以下の平均天井高であれば、
容積率に含まれない点も大きなメリットです。
屋根裏というとクモの巣が張ってあったり、
ネズミが走り回ったりする暗い場所というイメージがあるかもしれません。
しかし、それは古い家のイメージです。
最近は屋根裏も立派な収納場所として活用されています。
ただし、換気や断熱対策などいくつか検討する課題はあります。
なかでも、屋根裏まで上がる方法は良く検討しておきましょう。
屋根裏は家の中でも一番高い場所になりますから、
上がる方法が体力を要するほど年齢に比例して大変になるからです。
とはいえ、屋根裏という広いスペースを活用しない手はありません。
ぜひ前向きにご検討いただきたい収納法です。
5)屋外の収納は物置が中心に
![物置小屋](https://housing-master.com/wp-content/uploads/2018/06/housing_storage05.jpg)
庭にスペースの余裕があるのなら、物置を設置して収納するという手もあります。
物置は置く場所によって用途が変わります。
たとえば、庭の奥であれば、比較的大きなサイズの物置を設置できるでしょうから、
中に入れるものも、スキーやスノーボードの板、キャンプ用品など、
使用頻度は低いけれどかさばる物が中心になります。
同じように、勝手口の横に設置する場合なら、
物置のサイズも小さくなり、
庭の手入れ用品や掃除道具などになるでしょう。
このように、物置は置く場所と使用用途を考えて選ぶことをおすすめします。
狭小住宅は屋根裏と半地下収納がいい?
狭小住宅の場合は、どうしても部屋のスペースを確保することを優先したくなります。
その結果、実際に住み始めると収納が足りなくて物が床にあふれたり、
収納用の家具を多めに置いたりして、
結局家が狭くなるという本末転倒な結果にもなりかねません。
個人的に狭小住宅の場合は、
屋根裏収納と半地下収納を使うのが良いと思います。
そのほか、靴や傘などの物が多く乱雑になりがちな玄関の収納に関しては、
玄関に関する記事のなかで触れていますので、そちらも合わせてご覧ください。
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