浴室、キッチンをはじめとして、注文住宅の水回りで発生しやすい設備以外のトラブルといえば、
カビとその発生原因の1つになる結露です。
これらは住宅の新旧や季節に関係なく起こるトラブルなので、
普段から目を光らせておく必要があります。
カビと結露の対策として最も有効なのは、換気装置の使用も含めて部屋の風通しを良くして、
温度と湿度を調整することです。
カビの対策方法を考える前に、
そもそもカビはどういう条件で発生するのかを理解しておきましょう。
そもそもカビは極小さな生き物(菌類)で空気中にも潜んでいます。
これが食べ物などに付着して成長するためには、いくつかの条件がそろっていないといけません。
どんな条件なのかを見てみましょう。
- カビが生きるのに必要な栄養分(食べ物・食べかす・浴室の垢など)や酸素がある
- 適度な温度がある(20~40度前後)
- 適度な湿度がある(65~70%以上)
これらの発生条件を見てみると、
カビが住宅の水まわりに発生しやすいことが良くわかるかと思います。
浴室はカビが育ちやすい環境なのです。
しかも、カビには多くの種類があり、湿度によって発生する種類も違います。
浴室ほど湿度が高くない場所でもカビは発生しますので注意しましょう。
カビの根本的な対策方法は湿気を抑えること
カビの発生を抑えるには、上で挙げた発生条件を満たさないようにすればいいわけですから、
冒頭で触れたように、室内の換気で温度と湿度を変えることが最も簡単です。
部屋や浴室をこまめに掃除して、栄養分を与えないのも効果的です。
私がハウスメーカーの営業マンだった頃、担当したお客様にカビで苦労された方がいました。
少し珍しい例ですが、どこのご家庭でも起こりえることなのでご紹介しましょう。
その方は、部屋の空気が乾燥するのを嫌って大型の加湿器を購入されました。
それを壁側に向けて何日も使い続けていたところ、内部結露が起こってしまったのです。
内部結露とは、温かい空気が断熱材のある壁の中まで入り込み、
水蒸気を含むことができる限界温度を下回ったときに発生する結露のことです。
壁の中で結露が長い時間発生していると、
壁や柱、最悪の場合は土台部分まで腐らせてしまうことがあります。
そのお客様は内部結露が発生してしまったために、
まだ建物が完成してから何年も経っていなかったにも関わらず、
壁紙を剥がし、壁と断熱材を入れ替える工事をしなくてはならなくなってしまいました。
最近の住宅は気密性が高くなっていますから、そんな部屋で加湿器を使い続けると、
カビが育ちやすい条件を簡単に作れてしまうのです。
加湿器を使う場合は、ときどき換気を行うなどして、
部屋の湿度を下げるよう注意しましょう。