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シックハウス症候群の対策は掃除と建材選びから

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シックハウス(Sick House)症候群という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

シックハウス症候群は、住宅の気密性能が高くなり、
部屋の空気があまり入れ替わらなくなったなか、
建材などから出た化学物質が空気に溶け込んだり
ダニやカビが発生したりすることで起こる症状です。

シックハウス症候群が起こる主な理由

1)部屋の空気中に含まれる化学的な因子が理由で起こる

家を建てるときに使った接着剤や壁材などに含まれる揮発性の有機化合物
空気中に溶け込んだ(放散された)ため。

暖房器具や調理器具、タバコの煙に含まれる物質が因子となる場合もあります。

2)生物的な因子が理由で起こる

掃除が行き届いていなかったために住み着いたダニや、
湿気が多くて発生してしまったカビ、その他細菌などが原因でシックハウス症候群が起こります。

シックハウス症候群の主な症状は、
「めまい」「吐き気」「目やのどの痛み」などの比較的軽いものですが、
部屋のなかで生活をしているうちに起こるので、
最初はなかなか原因がわからないケースも多いのです。

この症候群は家に住む人すべてに起こる症状ではないとはいえ、
いつ誰が発症するかはわかりません。

下でシックハウス症候群の対策をご紹介しますので、参考にしてみてください。

着工前ならホルムアルデヒドの放散量が少ない製品を選ぶ

上で挙げたシックハウス症候群が起こる理由のうち、
2)の「生物的な因子が理由で起こる」場合は、部屋の掃除やカビの対策をすることである程度防げます

しかし、1)の「部屋の空気中に含まれる化学的な因子が理由で起こる」に関しては、
放散する物質が目に見えないこともあって、防ぎづらいのが実情です。

注文住宅の着工前なら、施工会社と相談してシックハウス症候群の原因となる物質の1つ、
ホルムアルデヒドの放散量が少ない建材や接着剤などを選ぶのも手です。

ホルムアルデヒド(HCHO)は、壁紙(クロス)などの内装材や
フロアを貼る際に使う接着剤などに含まれる有機化合物で、
接着剤が乾く段階で空気中に溶け込みます。

ホルムアルデヒドはさまざまな製品に含まれているうえ、
製品を作るのに欠かせない成分でもあることから、
なかなか使用料をゼロにはできません。

そのため、ホルムアルデヒドが空気中に溶け込む量(放散量)は、
シックハウス対策として建築基準法で定められています。

日本農林規格(JAS)や日本工業規格(JIS)で定められた基準値と
建材などに付けられる表示記号は以下のような内容です。

【表示記号】  【基準値】
F☆☆☆☆ 0.3mg/L(平均値) /0.4mg/L(最大値)
F☆☆☆ 0.5mg/L(平均値) /0.7mg/L(最大値)
F☆☆ 1.5mg/L(平均値) /2.1mg/L(最大値)
F☆ 5.0mg/L(平均値) /7.0mg/L(最大値)

表示記号のFの横についた☆のマークが多い製品ほど、
ホルムアルデヒドの放散量が少ない製品です。

このマークを基準に建材や接着剤などを選ぶと良いでしょう。

竣工後はしばらく換気を入念に行う

施工中はなるべく施工会社に換気をこまめに行うようにお願いしましょう

また、可能であれば、竣工後は建物をすぐに使用せず、
しばらくの間は毎日換気を行うのも良いと思います。

住み始めたあとは、こまめに掃除をしたり、換気を行ったり、
太陽光を積極的に取り込んだりして、カビや湿気対策を行いましょう。

最近はシックハウス症候群の対策も含めて、住む人に優しい住宅づくりをテーマに、
自然素材を建材に使っていることを謳う注文住宅などもあります。

そういった家では、たとえば外壁には漆喰(しっくい)を、
断熱材にはコルクの樹皮などを炭化させたものを使い、
さらに接着剤には米のりを使うなど、徹底的に素材にこだわっています。

シックハウス症候群が気になる方は、注文住宅の選択肢の1つとして、
自然素材にこだわった家を選んでみてはいかがでしょうか。

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