大手ハウスメーカー元営業マンがお伝えする家づくり成功の法則

家を建てる費用や見積り

住友不動産の二世帯住宅の間取り・種類まとめ

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完全分離型二世帯住宅(独立型二世帯住宅)

二世帯住宅の最大のデメリットは、互いのプライバシーを確保しにくい点にある。その問題点を解消しやすいのが、完全分離型の二世帯住宅だ。

それは、その名のとおり、親世帯と子ども世帯が住む居住空間が完全に分離している住宅だ。玄関をはじめ、キッチン、バス&トイレ、寝室、リビング・ダイニングルームなど、すべての生活スペースが完全に分離した住居だ。完全分離型の二世帯住宅は、設計の仕方によっていろいろなパターンがあり、大きく3つの形態に分類できる。

 

独立一戸建て注文住宅

同じ敷地のなかに2棟の家を建てる完全な独立一戸建て注文住宅だ。

この完全分離型の長所は、互いのプライバシー完全に守ることができること。親世帯、子ども世帯が互いに干渉せずに生活できる。親子や家族であっても、世代の違う家族間には、あらゆる点で価値観や生活習慣の相違がある。

そうした違いを互いに尊重して、過度な距離感をもって生活できるので、遠慮せずに気兼ねなく暮らせる。ストレスが生まれにくい二世帯住宅だ。

 

左右分離型二世帯住宅

アパートのように2棟が隣り合わせになっているタイプの二世帯住宅。内部にドアがあって二世帯が繋がっているタイプもある。

 

上下分離型二世帯住宅

2階建ての建物で1階と2階のそれぞれに居住空間が分かれている二世帯住宅。玄関が2つあり外階段や内階段を使って別々の玄関から出入りできるタイプだ。

バリエーションには、1階が親世帯の住居で、2階と3階が子ども世帯という大きな二世帯住宅もある。

 

完全分離型二世帯住宅の大きなデメリット

完全分離型二世帯住宅のデメリットは、住宅建設費用が高くつくということだ。二世帯住宅とは言え、通常の注文住宅を2棟建てるのとあまり変わらないので、玄関から高価な水回り設備であるキッチン、バス&トイレまで別々に用意しなければならない。

そのため、建築費用が高くなってしまう。とくに、完全に別棟になっている二世帯住宅は、ほぼ2棟分の建築費が必要になる。

二世帯住宅は、通常の住宅を建てるのに比べて1.5倍から1.8倍くらいの費用が必要になるとされ、3階建てなどの複雑な二世帯住宅は、注文住宅としての設計費もとても大きな額になる。

二世帯住宅を建てる目的が、経済的負担の軽減にある場合、このプランはあまりお勧めできない。

 

「共用型」二世帯住宅

住まう人たちのライフスタイルに合った注文住宅を建てるここ数年、二世帯住宅の建設や二世帯住宅へのリフォームが増えているという。その背景には「両親の家の老朽化」「両親の高齢化」があるとみられる。さらに、子世帯の世帯収入が増えない社会情勢が続き、子ども世帯が単独で家を買うことが難しくなったことも二世帯住宅の需要を後押ししているようだ。

二世帯住宅にはさまざまな利点がある。親世帯にとっては「防犯」「家の維持管理」「もしもの時の安心」といったメリットが得られ、子ども世帯には「家事の軽減」「育児のサポート」といったメリットがある。

お互いが助け合う「相互扶助」の二世帯住宅は、多くの人にとっての魅力的な住まい方として注目を集めている。

 

共用型二世帯住宅(半同居型二世帯住宅)

二世帯住宅では、子世帯と親世帯との間で、生活習慣などで大きな違いがある。食事時間や入浴時間、それに就寝時間などの相違だ。

一般的に親世帯と子ども世帯で、生活時間に2時間ぐらいのずれがあるとされる。子世帯の夫がサラリーマンや共稼ぎ夫婦であれば、仕事の関係もあり、決して親のペースに合わせることはできない。

根本的に生活時間帯が異なる場合、キッチンやお風呂の利用で生活音が親世帯・子世帯相互に干渉してしまうことは覚悟しなければならない。そのため、共用設備をどの部分にするか、ここが重要なポイントとなる。

そこで、住まいの一部設備を共有する共用型二世帯住宅なら、二世帯の間に適当な距離感を作りやすい。共用型二世帯住宅はもっともスタンダードな二世帯住宅といえる。一般的に二世帯住宅という言葉を聞いて多くの人がイメージするタイプの住宅である。

共有部分は玄関、リビングだけなのか。キッチンなのか、バス&トイレは別途用意するのか、家族のふれあいとプライバシーをバランス良く採りながら、プランはさまざま考えられる。

 

二世帯住宅に「シェアハウス」という考え方を

ここ数年、他人同士が住宅の一部施設を共有して暮らす「シェアハウス」という住み方に注目が集まっている。

まさに、共用型二世帯住宅(半同居型二世帯住宅)は、親子で住宅設備の一部を共有する「シェアハウス」という考え方なのだ。

現在、二世帯住宅の建設に当たって、なにかとプライバシー主張し、その結果どちらかと言うと分離型を望む家庭が多いのだが、時代はシェアという考え方に向かっているのではないだろうか。

 

人気の高い大手住宅メーカーの住友不動産では、広々とした開放的な間取りの家づくりが実現できます。

価格も他の大手住宅メーカーに比べると安めでありながら、品質・性能は優れています

ここでは、住友不動産の価格や間取り、主な特徴について紹介しています。

 

田中

この記事をご覧いただくことで、住友不動産の注文住宅の特徴を把握でき、家づくりが進めやすくなりますので、ぜひ参考にご覧ください。

 

 

 

住友不動産の注文住宅の坪単価・価格

 

住友不動産の注文住宅の坪単価は、40万円台〜60万円台となっています。

そのため、30坪の家の建築費用は1,200万円〜1,800万円程度、40坪であれば1,600万円〜2,400万円程度の価格です。

他の大手住宅メーカーは坪単価70万円を超えるものもありますし、ローコスト住宅メーカーであれば坪単価30万円台〜家を建てることができます。

住友不動産の注文住宅は価格帯だけを見れば、「ローコスト住宅メーカー>住友不動産>他の大手住宅メーカー」となります。

しかし、品質や性能、サービスが他の大手住宅メーカー並み、もしくはそれ以上に優れているため、割安感を感じて多くの人が住友不動産で家を建てています。

田中
家は家族の安心・安全を守り、長く住むものですのです。住宅メーカーを選ぶ際は、価格帯だけでなく、品質や性能なども考慮したうえで選ぶようにしましょう。

 

 

主力のJ・アーバンシリーズはグッドデザイン賞を多数獲得

 

住友不動産の主力商品であるJ・アーバンシリーズは、現代の都市や暮らしにふさわしいスタイルのあり方を求めた住まいを提供しており、優れたデザイン性と機能性が認められ、これまで何度もグッドデザイン賞を獲得しています。

以下は、グッドデザイン賞を獲得したJ・アーバンシリーズの商品です。

  • 2003-2004 J・アーバン
  • 2006-2007 J・アーバンコート
  • 2007-2008 J・アーバンクリスタ
  • 2013     J・レジデンス

 

J・アーバンシリーズは非常に商品ラインナップが豊富で、コンパクトな間取りや広めの間取り、開放的なリビングの間取り、ルーフバルコニー付きの間取りなど、家族の理想に合った間取りプランの実現が可能です。

田中
洗練されたデザインの素敵なマイホームで暮らすことができます。

 

 

開放的で広々とした空間・間取りの家

 

住友不動産は耐震性や耐久性が優れているため、耐力壁が少なくて済み、開放的で広々とした空間・間取りの家づくりが可能です。

一般的な住宅メーカーの木造軸組工法の家では、耐力壁も多く必要なため、開口部も小さく開放的な空間はつくりづらいものです。

住友不動産の注文住宅であれば最大5.6mの大開口をつくることができ、2台並列のビルトインガレージも実現できます。

制約の多い都市部狭小地でも、敷地の可能性を最大限に活かした間取りの住まいをつくることが可能です。

 

 

地震に強く広々とした空間・間取りを実現する工法と地震対策

 

住友不動産の注文住宅であれば、地震に強い工法と効果的な地震対策により、優れた耐震性はそのままで広々とした空間・間取りを実現した家づくりがができます。

耐震性能は「耐震等級3」の最高ランクであり、数百年に1度の確率で発生する地震力の1.5倍の力でも倒壊・崩壊しないことを示しています。

以下は、優れた耐震性や広々とした空間・間取りを実現する6つの工法や地震対策です。

 

 

【1】軸組と面の2つの構造の長所を合わせた「ウッドパネル工法」

 

住友不動産のJ・アーバンシリーズ軸組構造+面構造のウッドパネル工法を採用しています。

2つの構造の長所を合わせることで地震に強い住まいを実現可能です。

外力を点と面の両方で受けることで、バランスよく分散でき、変形しにくい構造となっています。

 

 

【2】接合部強度を1.5倍にする「構造用接合金物」

 

一般的な木造軸組工法は、地震などの外力が接合部に集中しやすく、ねじれやゆがみが生じやすい弱点があります。

ウッドパネル工法では、接合部を構造用接合金物で強固に緊結していて1.5倍の接合部強度を実現しているため、ねじれやゆがみにも強いです。

 

 

【3】構造用合板よりも強い「パーティクルボード」

 

ウッドパネル工法の耐力面材には、一般的な構造用合板よりも高強度のパーティクルボードを採用しています。

パーティクルボードのせん断強度は構造用合板の約2倍で優れた耐震性を発揮します。

健康に配慮したF☆☆☆☆品なため安心ですし、耐水・耐腐食性も優れているのが特徴です。

 

 

【4】家全体の耐震性を強化する「剛床」

 

耐震性を高めるために1階・2階の床は剛床工法を採用しています。

厚さ24mmの構造用合板を梁や根太に直接とめて、構造体と床面を一体化しています。

水平剛性が高くなり、ねじれに強い家づくりが可能です。

 

 

【5】耐力壁の量が少なくて済む高倍率耐力壁「パワーパネル」

 

住友不動産の注文住宅では、間取りに関わらず、建物の1階に高倍率耐力壁のパワーパネル標準設置しています。

一般的な木造軸組工法で使われている筋交い耐力壁の壁倍率は2.0倍ですが、パワーパネルの内周部の壁倍率は5倍以上の11.1倍の高強度です。

耐力壁の量が少なくて済むため、耐震等級3の優れた耐震性は確保したままで広々とした空間づくりができます。

 

 

【6】揺れを低減して損傷を抑える「制振システム」

 

ウッドパネル工法の地震に強い耐震構造に加えて、制振システムを搭載することにより、大地震にも繰り返す余震にも強い家づくりを実現しています。

制振システムは、ダンパーに組み込まれた特殊粘弾性ゴムが地震エネルギーを熱に交換して吸収し、揺れを約50%も低減する装置です。

揺れを低減することで、家具の転倒などの危険を防げますし、内外装の損傷も抑えることができます。

特殊粘弾性ゴムは、劣化促進試験で100年経っても性能がほとんど変わらないことが確認されているため、設置後のメンテナンスも不要です。

 

 

広めの間取りも狭めの間取りも安心!火に強い家を実現

 

 

住友不動産の注文住宅は、優れた耐火性を実現しており、標準仕様で省令準耐火構造に対応しています。

もらい火に強い外壁防火構造や構造材の発火を遅らせる石膏ボード、火の通り道をふさぐファイヤーストップ構造などで火に強い家を実現しています。

また、省令準耐火構造の家は、火災保険料が一般的な木造住宅の約2分の1で済むなど、家計の負担も軽減可能です。

 

 

近隣火災時の類焼から守る「外壁・軒裏の防火構造」

 

住友不動産の注文住宅は外壁や軒裏が防火構造となっているため、近隣で火災が発生した場合も類焼から守ります。

 

 

温度上昇を抑え木材への着火を遅らせる「石膏ボード」

 

石膏ボードは約21%の結晶水が含まれているため、火災で熱が加わると熱分解を起こして、結晶水が放出されます。

壁や天井の全面に石膏ボードが使われているため、温度上昇を抑え、木材への着火を遅らせることができます。

 

 

類焼・延焼を防ぐ「グラスウール」

 

優れた断熱材であるグラスウールは、国土交通省から不燃材として認定されており、火災時の延焼や類焼を防ぎます。

 

 

住友不動産であれば丈夫で長持ちする住まいに暮らせる

 

住友不動産の家は、優れた防水・防湿性能で高い耐久性を実現しており、間取りに関わらず丈夫で長持ちする住まいづくりが可能です。

劣化対策等級3、維持管理対策等級3と、どちらも最高ランクを満たしており、いつまでも快適に暮らすことができます。

以下は、高い耐久性を実現する主なポイントです。

 

 

壁内結露を防ぐ「外壁通気工法」

 

住友不動産の家では、外壁通気工法を採用しています。

壁内に発生する結露は、構造材を腐朽させる原因に、壁表面の結露はカビやダニの原因になります。

外壁通気工法を採用することで、水蒸気を壁内から追い出すことができ、結露の発生を防ぐことが可能です。

 

 

湿気をくまなく排出できる「床下換気」

 

地面から発生する水蒸気は建物の耐久性を損なう要因です。

そのため、住友不動産では地面に防湿フィルムを敷き、基礎と土台の間には基礎パッキンを採用しています。

これにより、従来の床下換気口の1.5倍〜2倍の換気量を実現します。

 

屋根とバルコニーの「高い防水性」

 

屋根の下地には、釘穴からの水の浸入も防ぐアスファルトルーフィングを、バルコニーには耐水性・耐久性に優れたFRP防水を採用しています。

 

 

水を内側に通さず水蒸気は屋外側に通す「透湿・防水・遮熱シート」

 

外壁材の下地には雨水の浸入を防ぐ、透湿・防水・遮熱シートを採用しています。

雨水の浸入を防ぎながら、壁内の湿気を抜けやすくします。

 

 

人体や環境に影響のない薬剤を使用した徹底した「防蟻処理」

 

防水・防湿対策だけでなく、木造住宅の大敵であるシロアリ対策も徹底しています。

土壌全面や土台の木材、外壁木部など、人体や環境には影響のない薬剤を使用しています。

 

 

間取りの広さに関係なく快適でエコな暮らしができる

 

 

住友不動産の注文住宅は優れた断熱性を実現しており、断熱等性能等級は最高ランクの4となっています。

断熱性が高いことで省エネ・省コストな暮らしが可能です。

以下は、快適でエコな暮らしを実現する主な仕様です。

 

冷暖房コストを「大幅ダウン」

 

断熱性に優れているため外気温に左右されにくく、少ないエネルギーで効率的に冷暖房が可能です。

住友不動産の家は、一般的な木造住宅と比べて約25%も年間冷暖房費を節約できる省エネ住宅です。

 

 

1年を通じて優れた省エネ効果を発揮する「Low-E複層ガラスサッシ」

 

熱が逃げやすい開口部には、断熱性の高いアルゴンガス入りのLow-E複層ガラスサッシを採用しています。

一般的な複層ガラスの約2.5倍、単板ガラスの約5.4倍の断熱性で、日差しを約60%、紫外線を約82%もカットできます。

 

夏は涼しく冬は暖かく保つ「透湿・防水・遮熱シート」

 

赤外線反射率85%、赤外線放射率15%の高い遮熱性を持った透湿・防水・遮熱シートを採用しています。

夏は室内を涼しく、冬は室内を暖かく保ちます。

 

隙間なくきっちりと充填した断熱材「グラスウール」

 

断熱性の優れたグラスウールを採用しており、家全体に隙間なく充填しています。

 

 

コンパクトな間取りでも生活音や騒音が気にならない静かな家

 

住友不動産の注文住宅は、優れた遮音性により、外からの騒音の侵入や居室間の音の伝わりも効果的に低減できます。

コンパクトな間取りでも広めの間取りでも、静かで過ごしやすい室内環境が実現可能です。

以下は、静かな暮らしを実現する主な仕様です。

 

 

音の発生を抑える「吊り天井&三層床構造」

 

1階天井を2階の床梁に直接貼るのではなく、吊木を介して取り付ける吊り天井を採用していて、足音や衝撃音がダイレクトに伝わるのを防ぎます

また、2階の床面はフローリング・石膏ボード・構造用合板を重ね合わせた三層床構造にしているため、音の発生音を効果的に低減可能です。

 

 

厚く充填した「グラスウール」

 

住友不動産の家で使用している断熱材グラスウールは、断熱性が優れているだけでなく、スピーカーの素材として使用されるほど吸音性にも優れています。

中高音域の騒音レベルを効果的に低減できます。

 

 

騒音を低減する「複層ガラスサッシ」

 

複層ガラスサッシにより、外部から入ってくる騒音を約25dBも低減可能です。

開口部の遮音性を高め、静かな室内環境をつくります。

田中

このように、住友不動産は、優れた耐震性を実現するウッドパネル工法や地震対策により、耐力壁が少なくて済み、開放的な間取りの家づくりができます。

価格もそこまで高くなく、品質や性能から考えると割安感を感じるほどです。

コンパクトな間取りも広めの間取りでも、快適に暮らせる住まいが実現できますので、ぜひ検討してみましょう。

 

 

 

同居型二世帯住宅は、サザエさん型二世帯住宅

完全同居型二世帯住宅は、日本に古くからあるスタイルだ。言ってみれば「サザエさん型二世帯同居」である。

メリットは多い。いつも一緒にいることで、お互いの生活に手助けが必要な時に即対応できる。お風呂やキッチンを共同で使用することで、無駄な設備が省けるなどだ。

リビングやダイニング、キッチンやバスルームなど住まいの設備のほとんどを二世帯で共有する住宅だ。親・子・孫の三世代がふれ合う、賑やかな家族生活が送れるタイプの二世帯住宅である。1軒の家のなかで最低限の生活空間分離を行ない、全員が一緒に住むスタイルだ。

この同居型二世帯住宅は、スペース効率がよく、二世帯住宅の経済的なメリットが、もっとも発揮されやすい住まいだ。完全分離型二世帯住宅の項で述べた、キッチン、バスルームやトイレなど費用がかかる住宅設備を全員で共用するので、建築費用がかなり安くなり、これも大きなメリットといえるだろう。

 

同居型二世帯住宅のデメリット

ただし、同居型二世帯住宅は、世代間のプライバシーが確保しにくいため、最も人間関係で問題が起きやすいタイプでもある。

親子とは言え、世代が違えばものの考え方や生活習慣に大きな相違があるのは当たり前。子ども世帯はそれぞれが仕事を持ち、その仕事の勤務時間や孫世代の学校や熟などの時間などから考えて、食事や入浴の時間、当然ながら起床・就寝時間も違うはず。

親世帯の時間帯に合わせることは不可能なのが普通だ。こうした行動時間の違いが、いろいろ障害を生んでしまう。同居型二世帯住宅とは言っても、家族の行動を束縛することはできず、その結果、一般的に週末以外、食事なども別々の時間帯に取ることが多くなる。

こうした世帯ごとの生活・行動パターンの違いについて、つまらない摩擦の原因になったりすることのないよう、事前に十分に話し合い、互いによく理解しておく必要がある。

生活空間の多くを共有する「完全共有型二世帯住宅」は、日本的な伝統である同居を基本とする。そのため家事や育児を日常的に協力し合えるうえ、生活費や空間利用の効率化を図れるのがメリット。

プランニングでは、親世帯・子世帯の交流が円滑に行えるような工夫と、世帯それぞれが最低限のプライバシーを確保できる工夫がポイントになる。また、足音や排水音などの騒音にも十分な工夫や配慮が必要となる。

 

住友不動産の二世帯住宅プランは?

気心の知れた親子でも、二世帯同居にはさまざまな課題がある。これまで生きてきた時代背景、ライフスタイル、将来設計など、親子二世帯でまったく異なることは当然だ。二世帯住宅といっても家族構成や立地条件などで、重視すべきポイントはそれぞれだ。

二世帯住宅・注文住宅に注力する住友不動産では、さまざまなポイントを抑えた、多彩なバリエーションの二世帯住宅のプランを提案している。

 

家族構成に着目したプランニング

新たに建設する二世帯住宅が、両親の息子さん夫妻と同居する住居の場合、住友不動産によるとプランニングのポイントは、息子の嫁が気兼ねなく暮らせることが重要だという。子ども世帯だけの団らんのスペースや、親子二世帯が自由に使えるユーティリティを設けることで、息子の嫁が過度に気を使うことを解消する設計とする。

これが快適な二世帯同居生活をおくるポイントだ。

一方、両親の娘さん夫婦と住む二世帯住宅では、子ども世帯の夫が気を使わずに生活出来ることが、プランニングのポイントになると住友不動産は説明する。玄関をべつにして、夜遅い帰宅でも気にならないレイアウトを採用し、夜遅い食事や入浴でも気を使わずに済むプランがいい。

ご主人の趣味が活かせる空間や、友人や同僚を招いて、もてなせるスペースを用意するのも、有効なプランだというのが、住友不動産のプランニングだ。

二世帯住宅は最近人気がある

二世帯住宅は、1970年代後半から増えてきた注文住宅だ。土地価格が高騰し、若い世代の家族が、注文住宅を建てることが難しくなったことが、その背景にある。

一方で、女性の社会進出など社会的な変化は、共働き世帯を増加させた。高齢化社会が進む中で、親世帯の定年後の人生設計も重要となった。そのようななか、家族共生が見直されるようになり、「二世帯住宅にしたい」と考える人が増えてきたようなのだ。

つまり子世帯の「家事や子育てをまだまだ元気な親に手伝ってもらいたい」という気持ちと、親世帯の「いざというときの安心感が欲しい」などの要求が合致し、二世帯住宅に対する考え方が変わってきたことが大きな要因だ。

また、以前は、ほとんどが共用で、なんでもいっしょの「同居」から、お互いのプライバシーも尊重しながら大変な部分を補う「助け合い住居」という考え方が主流になってきた。

 

二世帯住宅で設備を共用

二世帯住宅で設備を共用する時に注意しなければならない場所のひとつが風呂(バスルーム)だ。

二世帯住宅を建てる際に、バスルーム風呂場を共有にする。その理由で圧倒的に多いのは、建築費用の節約のためだ。バスルームは、お金のかかる水回り設備のなかで、キッチンに次いで高い。

オール電化の二世帯住宅ならエコキュート1基では湯切れする可能性が高い。ふたつのバスルームを設置すると、給湯器を含めて優に100万円以上のアップになる。

 

二世帯住宅のお風呂共有

バスルームをひとつにするか、ふたつにするか。建築費が大きく違ってくる、悩ましい問題だ。

生活におけるバスタイムは、非常に大きなウェイトがある。仕事から疲れて帰ったあとの風呂の気持ち良さは格別だからだ。明日への英気を養う入浴は、しっかり採りたい。

しかもプライバシーがしっかり守られたものでなければならない。他人から急かされて入ったり出たりしたくはない。二世帯住宅で人数が多いため、家族の入浴の順番が決められているというのも嫌なものだ。せめて1日の終わりの入浴ぐらいは気兼ねなくゆっくり入りたい。

 

入浴時間の調節

当然だが、親世代と子ども世代の生活習慣は大きく違う。それが普通だ。そのため二世帯住宅で風呂場が共有の場合、問題になるのが入浴時間だ。家族の人数が多いため、自分の好きなときに入浴することが、できなくなることがある。

なかでも親世代が現役を引退しており、子ども世帯が共稼ぎの場合、これがもっとも顕著となる。とくに東京などで勤務して郊外の家まで帰ると、帰宅するのは20時すぎの時もある。この時間帯だと、すべての行動開始時間が早い親世代はすでに風呂はすませている。

すると、長い時間風呂の温度を保つため、光熱費がかかる。こうしたことが親世代のつまらない不満になる。小さなことだが、こうしたことが積もり積もるとストレスに感じるようになるものなのだ。

 

シャワールームを設けよう

子ども世帯の子、つまり孫世代が中学生にもなれば「朝、髪を洗ってから出かける」なんてライフスタイルを主張しはじめる。

こうした生活習慣のない祖父祖母の親世代は、ブツブツ文句を言いたくなるもの。少しでもこうしたデメリットを出来るだけ少なくしようとするならば、子供世帯のほうにシャワールームだけでも設けることだ。

なお、子ども世帯が共稼ぎなら、朝の出勤前の洗面所バッティングを避けるために、洗面ボール2基は用意すべきだ。

二世帯住宅について

 

二世帯住宅、つまり親世代とその子どもの家族(子と孫)が一緒の家に住まうのは、日本に旧くからあるトラディショナル生活様式だ。

戦後、団塊の世代が中心となって核家族化して世帯の単位が小さくなってきた。が、親世代への将来の介護や夫婦共稼ぎにおける子育ての負担軽減などで、二世帯住宅への要望が増えている。

また、首都圏などで若い夫婦が、子育てのため新たに土地を購入して、一戸建て住宅を建設するのは至難の業だ。

そんな問題を一挙に解決するのが、親世帯が住んでいる古い家が建つ土地を利用して「二世帯住宅を建てて住む」という方法だ。

これなら、東京23区内でも一戸建て注文住宅に住める注文住宅で二世帯住宅を建てる動機は人それぞれだ。が、ここ数年、住友不動産など大手のハウスメーカーが、二世帯住宅の新商品を発売するなど、力を入れている。

 

そもそも二世帯住宅とは?

二世帯住宅とは、親世代とその子どもの家族(子と孫)が一緒の家に住まう家だ。三世帯住宅という呼称も生まれ、二世帯住宅に祖父母が加わって住まう住居である。子ども夫婦は結婚独立して生活する。

親世代の平均寿命が上がり、核家族化が進んだ結果、かつて子育てした親世代の住居は、居室が余り老朽化している。そこで、年老いた両親がすむ住宅を建て替えて一緒に住める住宅を建てる、をいう発想になるのは自然だ。

 

最近流行っている2.5世帯住宅とは

2.5世帯住宅は、最近急激に増えている二世帯住宅の変化形だ。二世帯住宅は、親、子供、孫の3世代、2世帯が一緒に住まう住宅だ。

二世帯住宅に0.5をプラスしたものが、2.5世帯住宅。その0.5は、子供の兄弟や姉妹で結婚しない子供、つまり孫にとって叔父や叔母が親の住宅に住んでいる。この状態で新たに共同で住む住宅を2.5世帯住宅と呼んでいる。女性の社会進出が進んで、女性がビジネスの最前線でバリバリ働く人が増えている。

それに伴って、結婚、出産するのが遅くなる(あるいは“しない”)傾向が進んでいる。
首都圏では40歳代の独身男性も多く、いまだに親の家に寄生するパラサイト世代となっている。このような場合に、親、独身の姉(孫にとって叔母)、妹の家族(夫と子どもたち)
がみんなで一緒に生活しているような住宅を2.5世帯住宅と呼ぶ。

 

二世帯住宅のメリット・デメリット

 

メリット1:金銭的な負担が軽くなる

二世帯住宅を注文住宅で建てるメリットは、何と言ってもお金の支払いが、軽くなるということだろう。前項で述べたように実家の両親が持っている土地に二世帯住宅を建てると言うのが、理想的なパターン。実家の両親が使っていない土地を持っているなら、もっといい。

こうすることで、新たに住宅を建てる土地を探すという手間から解放される。注文住宅建設でもっともお金が必要な“土地を買う”費用が完全に浮くのだ。

だいたい土地探しというのは、なかなか厄介で、周辺の環境や建蔽率、容積率の調査など行ない、希望の住宅が建てられる土地を見つけ、売買契約交渉し、
購入に至るまで、相当な時間と労力がかかる。

そんな煩わしい作業から解放される方法、両親が住んでいる土地を活用するのが最適といえる。しかも、親たちが住み慣れた街だ、これは最上の条件ではなかろうか。

 

メリット2:税金対策になる

二世帯住宅には、意外に知られていない、もうひとつの大きなメリットがある。二世帯住宅は一定の条件を満たせば、一般的な注文住宅よりも税制面で有利だとされているのだ。
普通の戸建て住宅に二世帯が住んでいても、税制面での何のメリットもない。が、玄関がふたつであり、実質的に2棟の建物と認められれば、区分建物として区分所有として登記できる。

こうすれば、不動産取得税や固定資産税が安くなるのだ。区分建物というのは、分譲マンションなどと同じ考え方。マンションのひと部屋を購入すると区分登記するが、二世帯住宅をこの方法で登記する。すると、一棟あたりの土地面積や延べ床面積が少なくなり、税金の税率が低くなるのだ。結果、一棟の建物として登記する場合に比べて税金の負担が軽くなるケースが多いのだ。

 

デメリット1:建築費が高額になる

二世帯住宅のデメリットは、住宅の建築費がトータルで割高になってしまうことだ。二世帯住宅としてのタイプによって異なるが、それぞれの家族のプライバシーを尊重する完全分離型二世帯住宅の場合、キッチンやバス&トイレなどを2カ所以上作らなければならない。

また階段も2カ所となる場合もある。一般的な注文住宅2棟分とは言わないまでも、プライバシーを尊重すればするほど、それ相応に建築材料費・建築費がかさむ。

 

デメリット2:プライバシーの問題

二世帯住宅は、それがプライバシーを重視した完全分離型だとしても、別々の土地で生活しているのと比べて、距離感が圧倒的に近い。

だから人間関係が悪化すると、修復不可能な泥沼となってしまう危険を孕んでいる。親族関係であるが故に、一度関係が悪化しても、簡単には関係を断ち切る事は難しい。決して赤の他人ではないので問題は、深刻化し骨肉の争いに発展する可能性を秘めているのだ。

互いの家族にとって良いと思って始めた二世帯住宅の共同生活が原因で、別居や離婚など、最悪の事態に発展してしまっては最悪。人間関係の密度がこいだけに、一度ほころびが生まれると憎しみも深くなりがちなのだ。

2.5世帯住宅は、単純な二世帯住宅と異なり、さらに注意が必要だ。妻が夫の兄弟姉妹とうまくやっていける(その逆の場合も、つまり夫が妻の兄弟とうまくやっていける)
かどうかにかかっているのだ。

夫(あるいは妻)も赤の他人だったわけだが、その兄弟姉妹となると価値観や考え方ことなるため、親世帯よりも深刻なトラブルに発展しかねない。二世帯住宅の建築前に、住まう人全員が集まって、お互いの譲れない部分などを主張し、妥協点を探しておくという作業が必須となる。

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