大手ハウスメーカー元営業マンがお伝えする家づくり成功の法則

家を建てる費用や見積り

注文住宅でこだわりたいリビング・ダイニング・キッチン

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家を建てるとき、皆が利用する部屋、設備はかなり重要なポイントとなります。

とくに、リビング、ダイニング、キッチンは、家族が集まる空間ですので、
他の部屋よりも更に、自分たちの要望を盛り込んで、満足できる間取り設計をしてほしいと考えています。

この記事では、リビング、ダイニング、キッチンの間取り設計を
より良いものにするためのアイディア
を紹介しています。

皆様の家づくりのヒントになれば幸いです。

部屋と屋外に一体感を持たせる

注文住宅を作る際は、建物の間取りにだけ注目するのではなく、部屋から庭へのつながり
外へ続くベランダやバルコニーの活用にもぜひ目を向けていただきたいと思っています。

なぜなら、住宅と戸外とのつながりを意識することで、
家に住みながら四季を感じられたリ、
光や風を取り込んでより豊かな生活が送れるようになるからです。

庭がある家の場合は、建物と庭を別々に考えずに、
建物と庭が一体となるような外構のプランを練ることをおすすめします。

ここでは、部屋と屋外に一体感を持たせるために何に注意すれば良いのかを見ていきましょう。

庭に繋がるリビングデッキ・ウッドデッキ

部屋から庭へ繋げる場所として代表的なのはリビングデッキです。

リビングデッキは広めの開口部分を設けた1階のリビングの前に作ると、
部屋が庭の方まで広がったような開放感を味わえます。

春や初夏などの過ごしやすい時期には、デッキでお茶を飲んだり本を読んだりするなどして、
そのまま部屋の一部のように使うことも可能です。ウッドデッキでくつろぎながら風に吹かれるのは、
なんとも心地よくぜいたくな時間だと感じます。

もちろん、デッキを作られる方の要望が非常に多い、食事やBBQをやる場所としても活用できます。

なお、洗面所(脱衣所)の隣やクロークの横などにデッキがあると、
洗濯後にそのままデッキまで運んで干せますから、洗濯の動線を短くできて便利です。

中庭としてのリビングデッキ・ウッドデッキ

デッキのもうひとつの使い方としては、中庭に設置する方法があります。

中庭全部にウッドデッキを使い、掃き出し窓からの高さをあまり変えないようにすると、
まるで屋外にある部屋のように活用することが可能です。

晴れた日ならデッキの上をショートカットして別の部屋にも入れるようになり、
動線にも遊びができます。

中庭でBBQをしたり、ごろ寝をしたりする場合でも、
周囲の視線を気にせずに済むという気楽さも生まれ、
庭にデッキを作る場合とは違った利点も生まれることでしょう。

ベランダ・バルコニー

部屋と戸外とのつながりを感じられる空間として1階がデッキなら、
2階はベランダやバルコニーがそれに当たります。

ベランダとバルコニーは、端から手すりの部分までの奥行が2m以内であれば、
床面積に含まれないのが大きな利点
です
(柱を作って支えたり、建物から1m以上はみ出たりした場合はその限りではありません)。

奥行が2m近く取れるなら、洗濯物を干すだけではなく、
小さなテーブルやイス、鉢植えの植物なども並べられます。

屋上

家の周りが高い建物がなければ、屋上があると良い気分転換の場になります。

もちろん、陽当たりの良さを生かして、物干し台としても良いですし、
簡単な家庭菜園にするのも良いでしょう。

このように家の中にいて自然を感じる方法はいくつかありますが、
私が個人的に一番おすすめしたいのはデッキです。

私がハウスメーカーの営業マン時代に担当したお客様のなかにも、
デッキを作られた方がたくさんいらっしゃいますが、
ほとんどの方が作って良かったと満足していらっしゃいます。

その理由としては、上で挙げたように「自然が感じられるから」というのももちろんあります。

あとは、当初はBBQぐらいにしかデッキの使い道を想定していなかったのが、実際に作ってみたら、
活用法がいろいろと見つかったからというのも理由として大きいようです。

デッキがあれば晴れた日にイスを置いてゆっくりコーヒーを飲んだり、
夏ならお子さんが花火をやるのを眺めながらビールを飲んだりと、
デッキがあればあったで使い道はあとから思いつくものです。

住宅を建てたあとからでもデッキを作ることはできます。

生活に自然を取り入れたい、日々の生活に何か変化を持たせたいとお考えの方は、
ぜひデッキの採用をご検討ください。

使い勝手の良いキッチンとダイニングの作り方

家族の食事を毎日作るキッチンと、食事をいただくダイニングは、
家のなかでも1・2を争うほどの重要な部屋です。

これらの部屋は、居心地や使い勝手が悪いと、
毎日使ううちに少しずつストレスがたまってしまいます。

いずれも家族がコミュニケーションをはかる場ですから、
気持ちよく使える空間にしたいものです。

では、注文住宅で後悔のないキッチンとダイニングを作るにはどうすれば良いのでしょうか?
ここでは、キッチンとダイニングのプランを練る際にどんな点に気を付ければ良いかについてご紹介します。

キッチンのタイプを選ぶ

キッチンにはいくつかのタイプがあり、
システムキッチンの配置や部屋が閉じた空間かどうかで、種類が分かれます。

キッチンのタイプについては、別の記事で詳細に触れていますので、
まずは基本だけ軽くおさらいします。

1)オープンキッチンタイプ

ダイニングとキッチンが一体化しているタイプです。

キッチンからダイニングが見えるので、
料理をしながらお子様の様子を見られる安心感があります。

ただし、部屋の間に壁がないぶん、
肉や魚などを焼いた臭いがそのままダイニングに流れていきやすくなってしまいます。

2)クローズド(独立)キッチンタイプ

オープンキッチンタイプとは反対に、キッチンを完全に独立させるタイプです。

キッチンの中にこもれるので料理に集中できるうえ、料理のときに出る臭いを部屋に封じ込めやすくなっています。

ただし、ダイニングにいる人の気配はほとんど感じられなくなるほか、
配膳に手間がかかるというデメリットもあります。

3)セミクローズド(半独立)キッチンタイプ

ダイニングとキッチンにつながりを持たせつつ、間に低い壁などを使って半個室のように独立させるタイプです。

ダイニングにいる人の気配を感じられるオープンキッチンと、
料理の臭いが広がりにくいクローズドキッチンの良いところを取り入れたタイプといえるでしょう。

4)センターキッチンタイプ

シンクが壁から離れて配置してある、いわゆるアイランド型キッチンを使った場合は、
センターキッチンタイプがよく選ばれます。

センターキッチンタイプは、シンクの上に吊戸棚がないので視界が開け、
キッチンはもちろん、隣のダイニング全体を見渡せるのが特徴です。

その一方で換気に気を付けないと、
オープンタイプよりも調理の臭いが部屋全体に広がりやすくなってしまいます。

4つのキッチンのなかから選ぶ基準は?

これら4つのキッチンタイプのなかから、何を基準にして選べばいいのかと言えば、
主に以下の2つのポイントが中心になります。

1)ダイニングとのつながりを重視するかどうか

まずはキッチンとダイニングとのつながりに対する考え方です。

オープンキッチンタイプやセンターキッチンタイプのように対面式にするか
クローズドタイプのように部屋にこもって料理をするかです。

家族の様子がわかりにくいクローズドタイプは、コミュニケーションをはかる点では不利ですが、
ダイニング側の壁に小さな窓をつけておくだけでも、そこにいる人の様子はそれなりにわかります。

また、部屋が閉じているために収納スペースを確保しやすいなど、
このタイプならではのメリットもあるのです。

しかも、料理のにおいをキッチンに閉じ込めておけますから、
来客の多いご家庭ではクローズドタイプのほうが良い場合もあるでしょう。

2)家事動線をどのように組み立てるか

キッチンのタイプを選ぶもうひとつの基準は家事動線です。

生活をするうえで毎日こなさなければならない家事は炊事だけではありません。

洗濯、掃除も含めて、家事全体がやりやすい動線を考える必要があるからです。

キッチンを家事動線に組み込むときに考えたいのは、
他の部屋への移動のしやすさと、動線の短さです。

配膳を優先するならキッチンはダイニングとつながっているほうが利便性は高くなります。

しかし、炊事と同時並行しがちな洗濯がやりやすいように、
洗面所や浴室への行き来もしやすいほうが作業ははかどります。

動線を考えると、クローズドよりオープンキッチンのほうが壁や扉がないぶん、
他の部屋への移動もスムーズ
です。

しかし、オープンキッチンの隣にリビング、
その先に洗面所があるのなら、洗面所が横にあるクローズドキッチンよりも動線は長くなってしまいます。

また、買ってきた食材を運び込んだり、ゴミを運び出しやすくしたりするなら、
キッチンに勝手口をつけると利便性が向上しますし、
勝手口近くにパントリーを作れば、建物に入ってすぐに食料を保管できるので、
より動線を短くすることができます。

このように、キッチンを動線の主要な部分に組み込み、
他の水まわりとの繋がりやキッチンのタイプごとの違いを意識しながら、
作業がしやすいよう全体の動線を考えてみてください

キッチンに必要な広さを検討する

ここではキッチンに必要な広さについて考えてみましょう。

キッチンにはコンロ、シンク、収納棚、冷蔵庫と最低限必要なものがあります。
これらの距離が近いほど動線が短くなり作業の無駄も減ります。

その反面、距離を近づけるためにキッチンの間取りを縮小し過ぎても、
かえって動きづらくなってしまう
のです。

通常キッチンは、コンロとシンクのある調理部分と、
収納棚などがある作業台の部分が分かれています。

この2つの部分が平行に並んでいるⅡ型(後述します)のキッチンの場合は、
その間隔が最低でも90cm(900mm)は必要で、100~110cmもあれば十分です。

この間隔が狭すぎると物が取り出しにくくなったり、
振り返ったときに周囲の物にぶつかりやすくなったりしてしまいます。

奥様とお子さん、またはご夫婦など、2人で調理をする際に間隔が狭すぎると、
場所を入れ替わることも難しくなってしまいます。

システムキッチンのレイアウトにもよりますが、
1人で料理をするならキッチンは最低でも4.5帖あれば良いと言われています。

ダイニングキッチンにする場合なら、最低でも8~12帖は欲しいところです。

ただし、これはあくまでも目安ですから、たとえばキッチンに6帖を使う間取りでもかまいません。
キッチンにどのサイズの何を置くかを調べて、広さを検討してみましょう。

シンクとコンロの形を選ぶ

シンクとコンロの配置には、いくつかの種類があります。

この種類によって料理をする人の向きや動き、配膳のしやすさが大きく変わりますので、
目的に合わせて選んでください。

主な配置の種類は下の4つです。

1)I型(1列型ともいう)キッチン
コンロとシンクを1直線に並べた一般的なカウンターで、
上から見るとギリシャ数字のIに見えます。動線が一直線(左右の移動のみ)ですが、
キッチンが長くなると横の移動が増えてしまいます。
2)Ⅱ型(2列型ともいう)キッチン
コンロとシンクをそれぞれのカウンターに分けたレイアウトが特徴です。

2つのカウンタを上から見るとギリシャ数字のⅡに見えます。
Ⅰ型とは違い、ほとんど移動がなく前後に振り向いて作業をすることが多くなります。

3)L字型キッチン
英語のLの字のようにコンロとシンクをそれぞれの辺に配置している、
90度に曲がったカウンターです。

L字の2辺を壁につけて配置する場合と、
1辺だけを壁につけて、もう片方をダイニングテーブルの代わりにしたり、
シンクや調理台にしたりする場合があります。

Ⅱ型ほど体の向きを変えずに作業ができる点は大きなメリットです。

4)アイランド型カウンター
コンロやシンクは壁側にまとめ、作業台のカウンター部分のみを壁から独立させて配置するタイプです。

カウンターはテーブル(ダイニングテーブル)を兼ねる場合がほとんどです。

いろいろな方向から作業台に向かえるので、
コミュニケーションがはかりやすく、2~3人で作業をすることもできます。

このほかにもコンロ、シンク、作業台を3つの辺にわけて配置したU字型(コの字型)カウンターなど、目的別に選べるいくつかの種類があります。

カウンターのタイプによって動線も変わりますので、
設置したあとのこともよく考えておきましょう。

▼こちらの記事で「キッチンの種類」について記載しています。▼

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