大手ハウスメーカー元営業マンがお伝えする家づくり成功の法則

家を建てる費用や見積り

注文住宅において愛車を守る使いやすいガレージ作りの秘訣は?

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すでに自動車をお持ちの方や、これから購入する予定のある方は、
注文住宅を建てるにあたって、ガレージや駐車場を検討されていることと思います。

ご自宅の近くに安価で良い駐車場があるなら、
ガレージを作らずにそちらを借りるというのも手ですが、
玄関から車までの歩く距離や、車への荷物の出し入れのことを考えと、
やはり家の敷地内にガレージや駐車場があったほうが便利です。

特に天気が悪い日などは、傘を差しながら離れた駐車場に行ったり、
そこから家まで歩いて帰ったりするのは面倒なものです。

高級車をお持ちの場合は、
車にいたずらをされてしまう可能性も考えてしまうでしょう。

注文住宅を建てる上でのガレージの種類は大きく分けて4種類

ひとくちにガレージといっても、その種類や形はさまざまです。

まずは、どんな種類があるのかを確認してから、
ご自分の注文住宅にあったガレージを選びましょう

カーポート

金属製の簡易的な柱に屋根をつけ、敷地内に作った駐車スペースのことを言います。

駐車方法としては最もシンプルで費用も安く済みますが、
凝ったカーポートのなかには屋根の部分に
ソーラーパネルがついた商品などもあります。

また、屋根を支える柱は左右両側にあるタイプと、
片側か後方にしかないタイプがあります。

片側か後方にしかないタイプは、
両側に柱があるタイプよりは柱を気にせずに車の出し入れができますので、
敷地の角にガレージを作る場合などに良いでしょう。

ビルトインガレージ

建物の1階に作るガレージのことです。

ガレージの入り口にシャッターを設けることで防犯性を高め
風雨からも車を守れます。

メリット、デメリットも含めて、
詳細は下のほうに記述してありますのでご覧ください。

建物独立型のガレージ

ビルトインガレージとは違い、
敷地内に独立して建ててあるガレージのことです。

車の周囲が壁や屋根で覆われているため、カーポートよりも防犯性に優れているほか、
シャッターで風雨をしのげるので、車が傷むのを防げる効果もあります。

このガレージは敷地に余裕がないと作りづらいのが欠点です。

掘り込み式の駐車場・地下駐車場(地下車庫)

掘り込み式の駐車場や地下駐車場は、建物の地下にある駐車場です。

地下駐車場というと、ビルの地下駐車場のように、
地下1階・地下2階にあるイメージをお持ちかもしれませんが、
注文住宅の場合は少し違います。

これは、急な坂道にある敷地や、
道路沿いにある擁壁で守られている敷地でよくみかける駐車場で、
道路よりも高い斜面や土地を削って、そこを駐車場にするのです。

いずれも土地(斜面)を堀って、
その周囲をブロックやコンクリートで固めて作ります。

固めた駐車場の上に建物を建てることも可能で、活かしにくそうな斜面がある敷地でも、
こういった形で有効活用することもできるわけです。

地階の天井部分が地盤面よりも1m以下にあれば地下と認められるので、
その場合は建蔽率の制限がなくなります

また容積率も全床面積の33%(1/3)以内になっていれば、面積に含まれません

ガレージについて考えるときに、基本事項として知っておいていただきたいのが、
ガレージや屋根のある駐車場は、建築物扱いになるということです。

つまり、建蔽率や容積率を考慮しなければいけなくなることに加え、
作るには建築確認申請も必要になります。

また、建物の中にガレージを作るビルトインガレージの場合は、
ガレージ部分の面積が延べ床面積の20%(1/5)以下であれば、
床面積に含まれない点
も覚えておくと良いでしょう。

つまり100坪の家なら、20坪以下のビルトインガレージは面積に含まれずに済むのです。

また、ビルトインガレージを地下に作った場合は、建蔽率の制限を受けずに済み、
また容積率も延べ床面積の33%(1/3)以内であれば面積に含まれずに済みます。

注文住宅におけるビルトインガレージを作る際に必要な注意点

上で紹介しましたように、ガレージにはさまざまな種類がありますが、
敷地を有効活用できるという点では、ビルトインガレージをおすすめします

ビルトインガレージを作る際には以下のような点に注意しましょう。

排気ガスの換気対策を十分に行う

ビルトインガレージは建物内に作るガレージですから、
車から出る排気ガスで一酸化炭素中毒にならないよう
窓や換気扇を付けて十分な換気ができるようにしましょう

車の運転を誤った場合に備えてセーフティネットを張る

毎日のようにガレージから車の出し入れを行っていれば、
アクセルを踏み間違えたり、ブレーキを踏むのが遅れたりして、
壁や柱にぶつかってしまう可能性もあります。

そのときに備えて、あらかじめ壁や柱、梁を補強しておくと安心です。

そのためには柱に添え柱を当てるなどして、構造的に強化することはもちろん、
柱に衝撃を吸収するクッション材を巻いて衝撃に備えたり床に車止めを置いたりして、
車がそれ以上進まないように防ぐのも効果があります。

十分な照明器具を設置しておく

夜間に車で帰宅したときのことを考えて、
ビルトインガレージ内には十分な明るさの照明器具を付けておきましょう

人感センサー付きの照明にしておけば、灯りの消し忘れもなくなり安心です。

メンテナンス用品を置く棚や水栓を設置する

洗車のときに使うホースをつなぐための水栓や、
車内の清掃用具を置いておけるがガレージ内にあると非常に便利です。

さらに、掃除機や電動ポリッシャーが使えるように
コンセントもあると車のお手入れや掃除がさらにはかどります

ビルトインガレージは間口の広さや周辺道路の幅を考慮に入れる

注文住宅でビルトインガレージを作るときには、
車とガレージの両方のサイズを把握することが大事です。

図面上ではガレージにうまく車が収まっているように見えても、
実際に車をガレージに入れてみると、車幅がギリギリでカベにぶつかりそうになる、
ハンドルを切ってガレージから出るときに
曲がりきれないなどの問題が発覚する場合があります。

図面と実物を見たときに、サイズ感にズレがあると
このようなことが起こってしまう
のです。

また、ガレージから車をうまく出すことができても、
敷地から道路に出にくい場合などもありますので、
敷地とガレージだけではなく、周辺の道路の幅も含めて、
総合的に判断しないといけません。

縦列駐車のビルトインガレージをつくったお客様のエピソード

以前、私がハウスメーカーの営業マンだったときに、
埼玉県大宮市のお客様の注文住宅で、
ビルトインガレージを作ったことがありました。

その家は40坪程度の敷地にある3階建ての建物でした。

お客様はビルトインガレージに車を2台停めることを希望されていましたが、
敷地の広さの関係で並列駐車が無理だったため、縦列駐車をするようにしたのです

その際ガレージの開口部は2m50cmほどの幅を取っていました。

一般的に小型の普通自動車の幅は1m70cm程度、
大型普通自動車でも1m90cm程度ですから、
2m50cmはそれなりに余裕のある幅に思えます。

ところが、自動車の出し入れは、
ガレージの入口と常に水平状態で行われるわけではありません。

そのため、ガレージでハンドルを切りながら車を斜めに出し入れをしようとしたところ、
壁にぶつかってしまったのです。

特に縦列駐車の奥に停めた車の出し入れが非常にやりにくいということで、
お客様からクレームをいただいてしまいました。

その結果、ガレージ部分の再工事をして間口を2m80cmまで広げさせていただきました

このように、図面上では車幅に対してガレージの幅に余裕があるように見えても、
実際に使ってみるとわかる問題点があるものなのです。

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